物日図鑑

2017年12月5日

8月の物日

8月・葉月(はづき)は、どのような物日があるのでしょうか。葉が紅葉して落ちる月「葉落(はおち)月」ということから、「葉月」となったいわれています。でも、葉が落ちるのは秋では……?と思うかもしれません。旧暦では、既に8月は秋なのです。

しかし、現在では、夏真っ盛りです。夏の物日イコール8月に集中していると言ってもいいでしょう。

暑さと対峙して、夏休み・旅行花火・浴衣・簾(すだれ)・籐枕・風鈴・かき氷・夏祭り・盆踊りと、まさに、 涼しげなキーワードに満ち満ちています。

【夏祭り】

みなさんが長い間待っているのは、やはり夏祭りでしょう。8月の頭には、東北の代表的なお祭りの、 青森ねぶた祭りがあります。

青森ねぶた祭りは、各地で見られる七夕の灯篭流しの変形と考えることができます。夏という季節は、既に目の前に秋をひかえて仕事の妨げになる睡魔を追い払うための行事とも言います。この睡魔をねぶたという趣向を凝らす人形に託し、曳き回します。全国から350万人の観光客が来るというので、やはり、夏のお祭りのトップランキングです。青森ねぶた祭と秋田竿燈まつり・仙台七夕まつりの3つは東北三大祭りという呼ばれ方をします。

秋田竿燈まつりは、 宝暦年間(1751~63年)の時代に行われていた、夏の病魔を払い、身を清めるねぶり流しが原型といわれています。米俵の形をした提灯を竿に吊し、大きな稲穂に見立てて、竿を操り力や技を競いあったりします。昼の妙技会、そして夜には、光と音のアートチックな竿燈を楽しむことができます。

七夕といえば、7月の物日というイメージがありますが、仙台七夕まつりが開催されるのは8月の頭です。伊達政宗が婦女子に奨励したのがはじまりと言われています。現在のようなお祭りになったのは、明治33年の仙台開府300年以降です。

更に徳島の阿波おどり、 山形花笠まつりなど、人生に一度は見ておきたいお祭りが、ここに集中しています。雨でも頑張るお祭りもありますが、雨でないことを願いたいばかりです。

【お盆】

そして、厳かにお盆と向きあうのも、8月です。多くの企業はこの時期を「お盆休み」や「夏期休業」とします。それはまさに「大人の夏休み」といった感じです。この頃帰省する人たちで、高速道路も非常に混雑したりします。

お盆と、終戦記念日が重なっていることに対して、何か因果関係があると思っている人たちもいるのではないでしょうか。8月15日には、昭和天皇から、大東亜戦争終結ノ詔書がラジオで読み上げられましたが、実際にポツダム宣言の受諾は8月14日に通達がされ、正式な停戦命令を出したのは16日。そして、降伏文書にサインをしたのは 9月2日であって、サンフランシスコ平和条約が発行された
のは、翌年の4月28日ということで、正確に言えば、いつ戦争が終わったのかも明確ではなく、終戦記念日が制定されたのは1982年4月のことです。

お盆とは、そもそも本来旧暦の7月15日におこなわれていたものであり、現在でも、それを引き継ぐ地域があります。ここには、別に何の因果関係があるということではありませんが、とにかく夏には、賑やかな物日だけでなく、厳かな物日もあるということを私達は理解しておく必要があります。